博物館では、館長や当館職員、大学の先生などを講師としてお招きし、それぞれの専門分野で研究されていることを紹介する「博物館講座」を実施しております。
12月14日(土)は当館の齋藤祐一館長が講師を務め、第5回博物館講座が開かれました。
齋藤館長は今年4月から県立博物館に着任されましたが、昨年度までは鶴岡市にある県立加茂水産高等学校の校長先生を勤められていました。県内唯一の水産高等学校での勤務を通して得られた知見をもとに、「山形県の海事情-漁業の様子と水産高校の取り組みのご紹介-」という演題で講義されました。
山形県は自然の恵みが豊富で、海の幸も豊富だと感じていましたが、海面漁業・養殖業の生産額が全国第39位(海岸線をもつ都道府県では最下位)という事実に驚きました。また、漁業に携わる方々が少なく高齢化も進んでいること、大型船舶も少なく山形県の漁業が縮小傾向にあることなど、これまであまり知られていなかったことを教わりました。また、サワラやカニのブランド化、漁業に魅せられた人々の移住など、山形県の漁業を活性化させようとする取組みがあることも紹介していただきました。
参加者からは「山形県の水産量の少なさに驚きました」「漁業者の育成や他業からの転業といった実情を知ることが出来ました」「なかなか海の話を聞くことがないので、とても興味深くお聞きしました」といった感想や「時間が足りなかったので後半のお話もお聞きしたかったです」「毎年いろいろな分野のお話を聞けるので、館長講座楽しみです」など館長の講座を希望する声がありました。
次回は1月18日(土)、東北大学東北アジア研究センターの荒武賢一朗教授による第6回博物館講座「地域をかけめぐる江戸時代の商人と流通」を開催します。詳しくは近日中にホームページ上でお知らせしますので、ぜひご参加ください。