博物館では、館長や当館職員、大学の先生などを講師としてお招きし、それぞれの専門分野で研究されていることを紹介していただく「博物館講座」を実施しております。
6月8日(土)は東北大学東北アジア研究センターの竹原万雄(たけはらかずお)先生を講師に第1回博物館講座が開かれ、多くの方にご参加いただきました。
講座の演題は「江戸・明治時代の旅と山形」でした。竹原先生は現在、地域に残る文書の調査を進めており、そこから「旅」にまつわる資料をもとに講演いただきました。朝日町大谷の地主鈴木清助氏が記録した明治12年の道中日記には、約5か月間にわたって全国を旅した行程や訪問先、宿泊場所や費用などが記されていたとのことで、特に旅にかかった費用に注目した話は興味深かったです。他にも、江戸時代に盛行した、全国の寺社にお経を納める「六十六部廻国巡礼」について、天童市に残された資料を中心に、巡礼の目的や納経にこめられた想いなどをお聞きしました。
地域に残された文書を解読することで、新しいことを知ることができる、大変興味深い講座でした。
次回、第2回博物館講座は7月20日(土)に、東北芸術工科大学の岡陽一郎先生を講師に迎えて開催します。詳しくは近日ホームページ上でお知らせしますのでぜひご参加ください。