10月1日(土)から、博物館ではプライム企画展「女神たちの饗宴-『縄文の女神』国宝指定10周年-」を開催しております。国宝土偶「縄文の女神」が国宝に指定されてから10周年にあたるのを記念して、全国から国宝土偶(複製)を集め、5体全てを一堂に会して展示しております。
11月6日(日)は、山形県埋蔵文化財センターから2名の方を講師にお招きし、「縄文の女神」が作成された縄文時代の山形造形についてお話ししていただきました。
小林圭一氏からは「西ノ前型土偶と縄文時代中期の地域社会」と題して、村山市の西海渕遺跡に見られる環濠集落など、縄文時代中期の集落跡を取り上げ、縄文人の生活の様子や時代による変化などについて、遺跡の調査からわかったことを元にお話しいただきました。
菅原哲文氏の演題は「山形県南部の縄文時代集落と土偶」。山形県南部の大規模な縄文集落跡である台ノ上遺跡(米沢市)を題材として、土偶や土器、住居跡、貯蔵やお墓として使われた土坑などから当時のくらしについてお話しいただきました。土偶や土器の形式を丁寧にひも解くと、北東北や北陸、関東の影響をうけていることが分かるとのことで、当時でも広い地域との交流があったことが伺えました。
今回講師をお引き受けいただいたお二方は、山形県の埋蔵文化財の発掘調査において最前線で活躍されています。お忙しい中にもかかわらず講演をお引き受けいただきありがとうございました。たくさんの方にご参加いただき、貴重なお話を聞くことができて素晴らしい時間となりました。