10月1日(土)から、博物館ではプライム企画展「女神たちの饗宴-『縄文の女神』国宝指定10周年-」を開催しております。国宝土偶「縄文の女神」が国宝に指定されてから10周年にあたるのを記念して、全国から国宝土偶(複製)を集め、5体全てを一堂に会して展示しております。
11月6日(日)は、山形県考古学会会長の阿部明彦先生をお招きし、「縄文の女神」の造形における新しい考察を紹介していただきました。
「縄文の女神」が他の土偶に比べて赤みがかった肌色が美しく発色されていることから、化粧土による装飾が施されていること、脚部側面に見られる修復痕から丁寧につくられたこと、右脚に重心を置いて今にも前に歩き出そうとする姿を表していることなど、長年「縄文の女神」を観察してこられた阿部先生ならではのお話しを聞くことができました。また、西ノ前型土偶や鼓形の石棒の分布圏が重なることから、蔵王山麓に広がりを見せる文化圏についての考察をお話しいただきました。
山形県の埋蔵文化財研究に長らく関わられたその経験と知識に基づくお話しは興味深く、たくさん学ばせていただきました。
講演の後は展示室に移動し、ギャラリートークもしていただきました。お忙しいにもかかわらず、参加者の質問にもお答えいただき、楽しい時を過ごすことができました。
次回の記念講演会③は11月20日(日)に、(公財)山形県埋蔵文化財センターの小林圭一先生、菅原哲文先生の両名をお招きして開催します。現在、埋蔵文化財調査の最前線に立たれているお二方からお話しをお聞きします。当館ホームページで募集を開始しておりますので、こちらもぜひご参加ください。