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動物(どうぶつ)
  イヌワシ
写真:イヌワシ  学名
 がくめい
  Aquila chrysaetos japonica Severtzov,1888
 大きさ
 おおきさ
 翼開張:
 75~95cm
 分布
 ぶんぷ
 日本、朝鮮半島(亜種 japonica
 にほん、ちょうせんはんとう
 その他の分布
 そのたのぶんぷ
  Aquila chrysaetosはヨーロッパから北米
 指定
 してい
 国指定天然記念物
 (くにしていてんねんきねんぶつ)
 国内希少野生動物
 (こくないきしょうやせいどうぶつ)
 ● 説明 ●
 イヌワシは全身が黒褐色(こっかっしょく)の羽毛(うもう)でおおわれています。後頭(こうとう)は光沢(こうたく)のある黄色の羽毛(うもう)でおおわれ、英語名(えいごめい)(ゴールデンイーグル)の由来(ゆらい)になっています。幼鳥(ようちょう)は後頭(こうとう)から後頸(こうけい)にかけ淡褐色(たんかっしょく)の縦(たて)しまがはいります。 5つの亜種(あしゅ)に分けられるとされ、世界各地に分布(ぶんぷ)します。山形県では飯豊、朝日、蔵王など各連峰(れんぽう)でもみられます。
 日本ではけわしい山脈地帯(さんみゃくちたい)に生活し、巣は普通、断崖(だんがい)の岩場につくり、季節による移動(いどう)はあまりないといわれています。外国では広い草原に見られる場合が多いです。食物は動物で、小型から中型の哺乳類(ほにゅうるい)、鳥類、爬虫類(はちゅうるい)、動物の死骸(しがい)などを食べます。上空から獲物(えもの)を発見すると、翼(つばさ)をすぼめ急降下(きゅうこうか)して捕(と)らえます。通常(つうじょう)は単独(たんどく)で獲物(えもの)を捕(と)らえます。
 「山形のなりたち」から「森林の科学」へ移(うつ)る場所に、これからの展示(てんじ)の代表(アテンションゲッター)としてこの動物を配置(はいち)しました。自然界の動物や植物は、たがいに競(きそ)いあい助けあって生きています。肉食動物は動物を食物とし、草食動物は植物を食物とします。さらに、植物はすべての有機物(ゆうきぶつ)の生産者(せいさんしゃ)として光合成(こうごうせい)をおこなっています。この目にみえない結(むす)びつきのなかで鳥の王者イヌワシはどんな役割(やくわり)をはたしているのか、森林の生物全体を通して考えてみよう。
 
  オサガメ
写真:オサガメ  学名
 がくめい
  Dermochelys coriacea (Vandelli,1761)
 大きさ
 おおきさ
 最大甲長・体重256.5cm・916kg
 さいだいこうちょう・たいじゅう
 分布
 ぶんぷ
 インド洋・太平洋
 大西洋・地中海
 いんどよう・たいへいよう
 たいせいよう・ちちゅうかい
 繁殖地
 はんちょくち
 東南アジアなど
 とうなんあじあなど
 指定
 してい
 ワシントン条約附属書
 1類掲載種
 わしんとんじょうやくふぞくしょ
 1るいけいさいしゅ
 ● 説明 ●
 オサガメは暖(あたた)かい南の海をすみかとしているが、対馬海流(つしまかいりゅう)にのって庄内の海にもたどりつくことがあり、これは山形県の自然の特徴(とくちょう)をあらわしています。
 現存(げんそん)するカメでは最大の種類で、甲(こう)らの長さは最大2.5メートル、体重900キログラムにも達(たっ)するといわれています。甲(こう)らの表面(ひょうめん)はほかのウミガメ類とことなり、おとなではなめらかな皮膚(ひふ)でおおわれています。 外洋(がいよう)に生息(せいそく)しますが、繁殖期(はんしょくき)になると沿岸(えんがん)に接近(せっきん)します。潜水能力(せんすいのうりょく)は高く、水深(すいしん)1,000メートル以上まで潜水(せんすい)が可能(かのう)。遊泳能力(ゆうえいのうりょく)は最高で時速(じそく)24キロメートルと速いです。 食性(しょくせい)は動物食で、おもにクラゲを食べます。クラゲは栄養価(えいようか)が低いため、体重数百キロの大型個体(おおがたこたい)では1日の摂取量(せっしゅりょう)は100キロ近くになります。卵生(らんせい)で1回に50~170個の卵を産み、卵は55~70日で孵化(ふか)します。
 「昆虫(こんちゅう)の世界」「野鳥(やちょう)の世界」から「暖流(だんりゅう)と雪の山形」へ移(うつ)る場所に、これからの展示(てんじ)の代表(だいひょう)(アテンションゲッター)としてこの動物を配置(はいち)しました。
 山形県は北部(ほくぶ)日本海側(にほんかいがわ)の多雪地帯(たせつちたい)だが、日本海を北上(ほくじょう)する対馬海流(つしまかいりゅう)の影響(えいきょう)を受けて暖(あたた)かく、庄内海岸や飛島(とびしまには暖地系(だんちけい)の動物や植物が数おおく見られます。また、日本海側の冬季(とうき)の積雪(せきせつ)や、低温(ていおん)などの気候条件(きこうじょうけん)にあった植物や動物が分布(ぶんぷ)しています。
 
  チョウセンアカシジミ
写真:チョウセンアカシジミ  学名
 がくめい
  Coreana raphaelis yamamotoi Okano,1953
 発生期
 はっせいき
 6月中~下旬
 6がつちゅうからげじゅん
 分布
 ぶんぷ
 岩手県・山形県・新潟県
 (日本亜種)
 いわてけん・やまがたけん・にいがたけん
 (にほんあしゅ)
 その他の分布
 そのたのぶんぷ
 朝鮮半島・ロシア南東部
 ちょうせんはんとう・ろしあなんとうぶ
 指定
 してい
 山形県指定天然記念物
 やまがたけんしていてんねんきねんぶつ
 ● 説明 ●
 日本では岩手県の陸中地方(りくちゅうちほう)、山形県、新潟県(にいがたけん)の1部などにだけ分布(ぶんぷ)するシジミチョウ科の貴重(きちょう)なチョウです。朝鮮半島(ちょうせんはんとう)、シベリアのウスリー地方などにも分布します。産地(さんち)によってちがいがみられ、とくに山形県小国町産のものが大きく黒化(こっか)し、もっともちがいが大きいといわれている。 体長(たいちょう)12ミリメートル前後、翅(はね)を広げた幅(はば)35ミリメートル前後の小型(こがた)のチョウ。色はオレンジ系ですが、県内のものは黒化(こっか)が進んでいます。
 年1回の発生。山形県新庄市における発生期は6月下旬、小国町では6月中~下旬が最盛期(さいせいき)と推定(すいてい)されます。15時ころにもっとも飛翔(ひしょう)します。産卵数(さんらんすう)は最大100個くらい。卵は食樹(しょくじゅ)(トネリコ、アオダモ、ヤチダモ)の樹幹上(じゅかんじょう)に見いだされ、数個がかためて産みつけられる場合が多い。越冬態(えっとうたい)は卵。幼虫は4齢で終齢幼虫(しゅうれいようちゅう)となります。その後、蛹(さなぎ)、羽化して成虫となります。 
 山形県では、昭和35年(1960年)に真室川町神ヶ沢および新庄市昭和から発見されました。その後、最上町、白鷹町、長井市、川西町、飯豊町、小国町と新しい生息地が確認(かくにん)されています。しかし、真室川町や新庄市では、開田(かいでん)や工業地(こうぎょうち)造成(ぞうせい)などの影響(えいきょう)で絶滅(ぜつめつ)したといわれています。昭和52年(1977年)、地域を定(さだ)めない県の天然記念物に指定されました。川西町や小国町では守る会が結成(けっせい)され、積極的(せっきょくてき)な保護活動(ほごかつどう)がおこなわれています。
 
  クロミンククジラ
写真:クロミンククジラ  学名
 がくめい
  Balaenoptera bonaerensis Burmeister,
 1867
 大きさ
 おおきさ
 平均体長:雄6.9m・雌7.4m
 へいきんたいちょう:おす・めす
 
 最大体長:雄10.7m・雌9.8m
 さいだいたいちょう:おす・めす
 分布
 ぶんぷ
 南半球
 みなみはんきゅう
 その他
 そのた
 商業捕鯨禁止
 しょうぎょうほげいきんし
 ● 説明 ●
 1階ホールに展示(てんじ)されています。これは、南極海(なんきょくかい)での調査捕鯨(ちょうさほげい)によって捕獲(ほかく)された体長8.2メートルの個体(こたい)。クロミンククジラは北半球(きたはんきゅう)に分布(ぶんぷ)するミンククジラBalaenoptera acutorostrata Lacepede, 1804と単一(たんいつ)の種と考えられていたが、別の種であることが日本の調査(ちょうさ)捕鯨(ほげい)により明らかになりました。
 高緯度海域(こういどかいいき)の摂食域(せっしょくいき)と低緯度海域(ていいどかいいき)の繁殖域(はんしょくいき)の間で大回遊(だいかいゆう)をおこないます。夏場はおもに南極海で摂食(せっしょく)し、秋から冬にかけた9月から3か月間は温暖な南太平洋西側海域などの低緯度海域(ていいどかいいき)で繁殖(はんしょく)します。 調査捕鯨(ちょうさほげい)の結果から日本鯨類(げいるい)研究所は成熟雌(せいじゅくめす)の90パーセント以上が毎年妊娠するとしています。南極海では商業捕鯨(しょうぎょうほげい)の末期(まっき)に日本とソ連が集中的に捕鯨(ほげい)を開始した1970年ころを境(さかい)に、捕鯨(ほげい)禁止をへて現在(げんざい)に至(いた)るまで、生息数の増加の停止が観察されています。
 えさは南極海に多く生息(せいそく)するオキアミやプランクトンのみに依存(いぞん)しています。それに対して、北半球のミンククジラはおもに魚類を捕食(ほしょく)します。 近縁(きんえん)の種であるミンククジラは、日本海にも生息しており、庄内海岸に漂着(ひょうちゃく)することもあります。クジラは、海の環境(かんきょう)に適応(てきおう)して進化してきた哺乳類です。その骨格から、クジラのさまざまな進化の特徴(とくちょう)がわかります。クジラは、化石としても山形の各地からみつかっている。
 
  山形県(やまがたけん)のシンボル
写真:山形県のシンボル  県の鳥
 けんのとり
 オシドリ
 おしどり
 県の獣
 けんのけもの
 カモシカ
 かもしか
 県の魚
 けんのさかな
 サクラマス
 さくらます
 県の花
 けんのはな
 べにばな
 べにばな
 県の木
 けんのき
 さくらんぼ
 さくらんぼ
 ● 説明 ●
 県の鳥「オシドリ」。県の獣「カモシカ」。昭和41年に、野生の鳥獣を愛する気持ちを高めようと、県民の鳥及び獣の制定運動が行なわれました。県の鳥については、昭和42年に、県内でみられる鳥6種類を選び、県民のみなさんの投票をもとにオシドリに決定しました。獣は、3種類を選び、投票をもとにカモシカに決定しました。
 県の魚「サクラマス」。山形県の水産への理解と親しみを深め、県内産の魚介類のイメージを高めて水産業を発展させること、また、庄内浜や最上川などの山形県の豊かな自然をアピールするため制定されました。山形県の自然をイメージさせる10種類の魚から県民投票により、サクラマスに決定しました。
 県の花「べにばな」。昭和29年にNHKが全国的に「郷土の花」を選定したときに、山形県は「べにばな」が選ばれており、また県を象徴する花として親しまれていたことなどから、「べにばな」に決定しました。
 県の木「さくらんぼ」。昭和45年に大阪府で開催された万国博覧会の日本開催を記念して県の木を定めることになり、昭和41年に山形県になじみの深い木のなかから3種類の木を選び、みなさんの募集をもとにさくらんぼを選定しました。
 山形県のシンボルとして「オシドリ」「カモシカ」「紅花」「さくらんぼ」は昭和57年3月31日告示され、「サクラマス」は平成4月3月制定されました。

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